フリーランスが取引先をむやみに増やしても年収が増えない理由

これには条件があって、自分のように物を作って売るといった類いの仕事が条件になります。

今年でフリーランスになって8年。幸い順調に取引先は増え、1年目は3カ所、3年目には 5カ所。5年目には 10カ所を超えました。しかし、年収が上がったのは 3年目まででそれ以降はたいして増えませんでした。

それは何故なのか? 今回はそんな仕事の事についてメモしようと思います。

作業時間・生産量には限りがある

生産量には限度があるわけで取引先を多くしてしまうと1つの仕事に集中出来なくなってしまいます。

年収の限度額は自身の作業量と単価によるもので、取引先の数とはリンクしません。

仕事に使える時間が余っているような状況であれば取引先を増やす必要があるかもしれませんが、そうでないなら年収目的で安易に増やすべきではありません。

スケジュール管理が大変になる

取引先を増やすとスケジュール管理が大変になってしまいます。

結果的には、取引先の数を絞って仕事に集中した方が良い結果が出るという事に気が付きました。

リスク分散のためにいくつか取引先は確保したい所ではあります。しかし、必要以上に多数の仕事を請けてしまうと、状況により納期の相談をする事もでてきます。そうなると結果的に信用を失う事になりかねません。

例外として1つの取引先から案件を2個、3個と頂ける事もあるので、そういう場合は積極的に請けるようにしています。何故かというと同じ会社なのでそれぞれのスケジュールを考慮してくれる事が多くなり仕事管理が楽になるからです。

スケジュール管理は質の良い仕事をする上でとても重要な要素となります。

年収を上げるには単価を上げる努力をすべし

最初に結論を言ってしまうと、単価を上げる以外に年収を上げる術はありません。

「量をこなせばいいじゃないか」と考える人も居るかと思います。しかし、作業効率を上げるにも限度はありますし、最終的には時間を犠牲にする事に繋がるのであまりオススメ出来ません。

単価の良い仕事は信頼度の高い人の元に流れます。では信頼度の高い人はどのような人の事かというと

  • 締め切りを守る
  • 各種対応が早い
  • 納品物の質が高い

ざっくりと書き出すと上記 3つをきちんと守っている人です。

最後の「納品物の質が高い」については一朝一夕には難しいですが、それ以外の「締め切りを守る」と「各種対応が早い」については心がけで充分対応出来ます。

特に締め切りについては、普通に守るだけで割と感謝される事が多いです。それだけ締め切りを守っていない人が多いという事の裏返しなのでしょう。

また、「メールの対応が早い」「要望に対する対応が早い」といったレスポンスが早い人とは仕事がしやすいものです。

質を上げるには、やはり自己投資が大切になります。単純に仕事の数をこなせばスキルは上がるかと思いますが、それだけでは足りない事が多いのも事実です。

自分の場合「旅行雑誌」や「写真集」「歴史書」を読む事も多いのですがそれらの知識は蓄積され、自分の強みに繋がっていると感じます。

インプットとアウトプットのバランスを保つ事で自然と成長に繋がります。

仕事は信頼されてナンボなのです。

単価の安い仕事は受けない

関係する事柄として、安い仕事は請けないという事もあります。

安いという基準は業種や人により異なるかと思いますが、少なくとも「実績に繋がるから」とか「次の仕事に繋がるかもしれない…」いう理由で安い仕事を請ける必要は全くありません。

そういう安い仕事は次に繋がらないし実績にもなりません(苦笑

まだかけだしで他に全くアテが無いよという人は別ですが、一度でも安い単価で請けてしまうとずっとその単価で仕事をする事になります。取引先の最初の単価決めは割と重要です。

単価の判断基準

単価はあくまでも発注側が決める事なので、私たち請ける側は基本的には提示された条件に対して「請ける」か「断る」かを判断する事になります。

業種により異なるでしょうし、その人の実力でも異なって来るでしょう。

2年3年と仕事を続けていけば、取引先も増え自分の立ち位置が見えてくると思います。うまくいけば仕事仲間も出来て情報交換も出来るようになってくるでしょう。

そうしたら「自分の心の中」で基準価格を決めその単価をクリアしていればその仕事を請けるというのが一つの方法になるかと思います。

自分の心の中と書いたのは、相手に具体的な金額を提示してしまうとその金額で決まってしまい、交渉の余地が無くなってしまうからです。ですので、まずは取引先に単価を出してもらう方向で交渉しましょう。

安い仕事を請けるという事は、その分年収が下がるという事

安い単価の仕事は請ける必要はありません。

それならば、インプット(読書など)に時間を割いた方が良いです。

また、安い単価の仕事は結果的にその業界を縮小させます。その仕事そのものの相場があると思いますが、平均よりも低いかどうかで判断すると良いでしょう。

「実績になりますよ」という謳い文句をアテにしてはいけない

今までの経験上、実績になるから請けませんか? というオファーで特別良い実績になった事はありません。

これは自分がまだまだ駆け出しの頃にたまに言われた台詞なのですが、ギャラが低いケースが多かったです。つまり「次の仕事に繋がるから~」という意図からの発言だと思うのですが、ぶっちゃけそういうオファーがきっかけで次の仕事に繋がった試しはありませんでした。そういう誘い方をしてくる所は、しょせんそれまでの所です。

取引先の開拓のつもりで安いギャラを請ける意味はありません。まだ安い仕事しか請けられない状況であれば別ですが、安いギャラで1度でも請けてしまうとそのギャラが基準になってしまうのです。単価はそうそう上げてくれるものではありません。

取引先を増やすのではなく、変えていく

単価を上げるといってもなかなか難しいよ、と考える人は多いかと思います。しかし、そう悲観してみても仕方がありません。

状況にもよりますが、1つの取引先に拘らず、取引先をどんどん変えていくのも道を開く手です。

取引先を無理に増やす事は無いと前記しましたが、必要に応じて取引先を変えていく事は有益に働く事が多いです。もちろん取引先により単価も違うし対応も違います。自分に合う取引先を見つけるという意味でも、定期的に取引先を変えてみるのも良いでしょう。

1度単価を決めてしまうと、なかなか変えられる物ではありません。しかし、新規で交渉する場合は自由に単価を相談出来ます。もし、現状取引している会社より良いオファーがもらえたらそこからも仕事を請けるようにすれば良いのです。

取引先を増やし続けたら年収が下がったという衝撃

これは私の失敗例になります。

取引先の内部スタッフが独立するというケースに遭遇するケースが出て来ました。私にも引き続き仕事を請けてくれないか?と相談をされ、今までの事もあったので仕事を請ける事にしました。しかし、新会社のスタッフが力不足だったり問題点を解決しなかったりと色々と振り回され、結局手に負えなくなってしまったというケースがありました。

それ以前に基本的な問題として、取引先を増やすと1カ所の取引先に割ける時間が減ってしまいます。それは1つの仕事に割ける時間が減るという事で、結果的にうまくいきませんでした。

具体的に言うと 2割以上減りました。焦げ付いてしまった仕事が出てしまった事が最も大きい原因だったと思います。

また、小さい仕事を細々と請けるよりも、規模の大きい仕事に集中した方が良い結果が出る傾向もあります。10個の仕事を 10カ所から1個ずつ請けるよりも 1カ所から10個請けた方がずっと効率的なのです。

お金に関する知識を身につける

これは超重要です。

特に税金に関する知識だけは最低限身につけましょう。世の中の決まり事は、それを知っている事前提で作られています。「知っていると得をする」ではなく「知らないと損をする」といった方が適切なのです。

仕事仲間で消費税に関する知識が無い人がいました。その人は年間 1030万円の収入を得ましたが、消費税 8% を支払う事になり、可処分所得でみた場合年収900万円だった場合と大差無くなってしまった…という事を聞かされました。

それなら1ヶ月休んでリフレッシュに時間を充てた方がずっと良いですよね。

まとめ

あまり纏まりの無い文章になってしまいましたが、結局の所は

「良い取引先を見つけて、良い関係を築きましょう」

という事になります。それが仕事の安定と年収の向上に繋がります。

自分と気の合う人の知り合いとはやはり気が合う事が多いです。色々な所と仕事をしてみる事です。

中には喧嘩別れになってしまったり、仕事が途中で頓挫したり、未払いなんて事も経験するかもしれません。自分は一通り経験してきました。それはフリーランスという立場上避けられないリスクです。

しかし、リスクヘッジのための行動はとる事が出来ます。

それがフリーランスの強みでもあります。時間はかかると思いますが、それが結果的に仕事が安定し、年収も上がる事に繋がります。

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