フリーランスとして働く場合、避けて通れないのが予算交渉です。
このページではフリーのイラストレーターの私が、初期の頃に経験した事や、現在仕事を請ける際注意している事を簡単に書いてみようと思います。
目次
ステップアップを心がける
自分の場合、契約社員として勤務していた会社を辞めた後、知り合いの会社から仕事を貰い始め、それを足がかりに取引先を広げていきました。
仕事をしていると自然と自分という情報が人づてに広がります。一定以上の評価を得られれば自然と新規の仕事の問い合わせは増えていきます。そして取引先が増えていくと、良い単価を提示しれくれたり、フィーリングが合う人に巡り会う機会も増えてきます。
フリーランスで良い仕事に巡り会ったり良い単価を得るには、こういう事の繰り返しにより人脈を広げ信頼を勝ち取っていく事が重要になります。
1度でも安く引き受けるとその後もその単価で請けるハメになる
最初に決めた単価はそうそう変えられません。
本来であれば 10万は請求出来る内容の仕事を 7万で引き受けてしまった場合、仕事を引き受け続ける限り 3万を損しつづける事になります。
フリーランスに成り立ての頃取引をした会社とはまだ交流が続いていますが、今ではそこの会社の単価は他の会社より 3割程度低い額になっています。後から取引を始めた複数の会社の方が良い条件を提示して下さり、今ではそちらの方が仕事の中心になっていますが、だからといって最初に取引をした会社が単価を上げてくれる事はありません。
取引を続けている会社の単価を上げるには、こちらからアプローチするしかありません。実際に交渉に応じて下さった会社もあります。ただ、会社側から「次からは少し上げるね」と言って来る事はほぼ無いと言っていいでしょう。あったらそれはかなりのレアケースであり運が良い事だと言えます。
「実績になるから」という誘い文句を信用しない
駆け出しのフリーランスであれば魅力的な誘い文句に聞こえるかもしれません。しかし、実績という物は雪だるまのように徐々に大きくなっていく物であって、何か1つ仕事をしたからといっていきなり実績として大きく評価されるわけではありません。
10…100…1000…と1つ1つ仕事を積み上げてようやく実績として評価されるのです。
ですので、実績にならないとまでは言いませんが、発注側にとって「体の良い誘い文句」である事は心得ておきましょう。
受ける仕事の単価は仕事に入る前に確認する
クライアントから単価の提示が無かった場合、ハッキリするまでは仕事に入らないようにしましょう。単価は後から決めましょうなどと提案してくるクライアントの話に乗ってはいけません。
そもそも単価によってその仕事にかける時間も変わって来るものです。仕事内容と単価を考慮して仕事をコントロール出来るようになれば一人前と言えるでしょう。
必要以上に安く仕事を請けるという事は、その業界の相場崩壊に繋がる
一度でも安い単価で請けてしまうとずっとその単価で請けるハメになる、という事は上でも書きましたが、一定以上の実力を持つ人が安易に安い単価で請けていると、他の同業者に悪影響を与えます。
実際自分も予算交渉時に「あの人はその単価でやってくれてましたよ?」と言われた経験があります。ではなぜ「あの人」は仕事を継続して請けなかったのか? 理由は明白で予算交渉しても応じられなかったため仕方なく仕事を降りたのでしょう。そしてこういう事は会社単位でも起こります。
副業で請ける場合はさらに慎重に
本業では無い人が
「小遣いになるなら、安くても良いか」
と安く仕事を始めてしまうと、本業の人に迷惑がかかります。
「それで仕事をする人がいるんだから、それが相場なんだよ」
と都合良く考える人も居るかもしれませんが、安く請けてしまう人が無知なのです。マネーリテラシーが無い人はフリーランスで生き抜けません。
副業であっても仕事として請けるのであればお金の勉強は必要です。努力をしてその単価しか得られないのであれば、その人の単価はそれが限界と言えますが、それもせずに趣味の延長の気分で小遣い稼ぎをするのはもったいない事なのです。
まとめ
一番大切なのは「仕事に対して真摯に向き合う事」です。ここがしっかりしていれば、良い人脈が出来、良い仕事に恵まれ、報酬単価にも繋がります。
100カ所の取引先があれば、100通りの評価があります。実力がある事が前提となりますが、自分を評価してくれるクライアントに巡り会えるかが勝負です。