SBI証券のiDeCo新プラン「セレクトプラン」の方が良い理由

今から確定拠出年金(iDeCo)を開始するなら間違いなくセレクトプランの方をお勧めします。

自分は投資関連についてはまだまだ知識が足りないと認識していますが、それでも断言出来ます。

今回はその理由についてメモしておこうと思います。

1つの証券会社に2つのコースが出来た経緯

SBI証券にはオリジナルプランとセレクトプランという 2つの確定拠出年金(iDeCo)のコースがあります。

以前からSBI証券は確定拠出年金(iDeCo)に取り込んでおり、ファンドのラインナップも充実していました。

しかし、時代が変われば優秀なファンドは出てくるものです。

新しいファンドが出て来たらラインナップに追加していけば良いじゃ無い?? と思われると思いますが、金融庁から取り扱うファンドは一定数よりも増やさないように、という指導があったようで、安易に取り扱いファンドを追加していく事が出来なくなったようです。

金融庁の立場で言えば「分かりやすいラインナップにしなさい」という事だとは思うのですが、時代によりお勧めのファンドは変わってきます。それに一端ファンドをラインナップに並べてしまうと、多くの利用者が保有しているファンドほど除外する事も出来ません。

実際のところ、SBI証券の現行のラインナップは、後発の証券会社と比べてほんの少し見劣りする物になっていました。

それならば2つ目のプランを作ってしまえば良いじゃないか!
という経緯から誕生したのがセレクトプランです。

セレクトプランの方がファンドの手数料が安い

これは、インデックスファンド前提の話になりますが、手数料は安ければ安いほどコストパフォーマンスの良いファンドという事になります。

後発で作られたファンドは手数料が安く抑えられており、今から投資する人にとっては魅力的な物が多くなって来ています。

セレクトプランの方には

  • eMAXIS Slim シリーズ
  • iFree シリーズ

といった最近の低価格の代表格であるファンドがリストに並んでいます。

また、それ以外でも、オリジナルプランと比べると、若干ではありますが手数料が安いインデックスファンドが並んでいる事が分かります。

投資の世界、特に複利効果を生かした投資を意識するのであれば、たとえ 0.01% であっても後々無視出来ない差が生まれて来ます。

ですので、今から始める人はセレクトプランを選択するべきですし、以前から SBI 証券で確定拠出年金(iDeCo)を行っている人は、頃合いを見てセレクトプランに切り替えるのが良いと思います。

オリジナルプランが悪いというわけでは無い

セレクトプランが優れているといっても、オリジナルプランと比べて手数料が 0.0数パーセントの差しかありません。

新しいファンドの方が手数料が安いとはいえ、いかにギリギリの所で勝負しているかが分かります。

セレクトプランのみにラインナップされているファンド一覧

セレクトプランで新たにラインナップに加えられた商品は以下19ファンドになります。

  1. SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド (愛称:雪だるま(全世界株式))
  2. SBIボンド-SBI-PIMCO 世界債券アクティブファンド(DC)
  3. セゾン-セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
  4. セゾン-セゾン資産形成の達人ファンド
  5. 大和-iFree 新興国債券インデックス
  6. 大和-iFree 年金バランス
  7. 大和-つみたて椿
  8. ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  9. ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
  10. ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
  11. 野村-野村リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)
  12. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
  13. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内債券インデックス
  14. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
  15. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  16. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
  17. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
  18. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  19. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

こうやってみると、eMAXIS Slim シリーズが目につきますね。あとは iFree シリーズやセゾン、ニッセイが加わっています。

その他も投資信託で投資をしている人であれば一度は耳にしたファンドばかりです。

オリジナル・セレクト両方にラインナップされているファンド一覧

オリジナルプランからセレクトプランにも引き継がれたファンドも16ファンドあります。

  1. iFree NYダウ・インデックス
  2. 農林中金-農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド
  3. 三井住友-三井住友・DC外国リートインデックスファンド
  4. 三菱UFJ国際-三菱UFJ 純金ファンド (愛称:ファインゴールド)
  5. ラッセル-ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)
  6. SBI-セレブライフ・ストーリー2045
  7. 日興-インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用)
  8. 朝日-朝日Nvestグローバル バリュー株オープン (愛称:Avest-E)
  9. SBI-セレブライフ・ストーリー2025
  10. SBI-セレブライフ・ストーリー2035
  11. SBI-セレブライフ・ストーリー2055
  12. SBI-EXE-iグローバル中小型株式ファンド
  13. SBI-ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド
  14. 日興-インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)
  15. SBI-SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>
  16. レオス-ひふみ年金

これを見る限り、オリジナルプランも悪いというわけでは無いという事が分かると思います。

急いでプラン変更する必要は無い

上記した通り、オリジナルプランとセレクトプランでは確かに差はありますが、焦って変更手続きをしなければいけないほどの差があるわけでもありません。

プランの変更とはいえ、形式上金融機関の変更をするような物なので手続きに時間がかかります。

元々、確定拠出年金(iDeCo)の大元である国民年金基金連合会の仕事が極めて遅いのですが、規模の大きい SBI 証券が有用なプランを新設したという事で、恐らく変更手続きが多く申請されるでしょう。

そうなると、さらに時間がかかる事が予想されます。

以前、国民年金基金の枠を減らして確定拠出年金(iDeCo)の枠を作った事があるのですが、この時も延べ 3ヶ月という時間がかかりました。

http://freelance.hibiki.org/money/ideco-start/

手続きに時間がかかれば、その間はファンドを持てない事になります。プラン変更中に相場が上がればその分の利益を得られないという事になります。逆に下がれば結果的に得をする事になります。

プラン変更のタイミングはよく見極める必要があるでしょう。

ちなみに私は、現在の下降相場から判断し 2019年の早いタイミングで変更の申請をしようと考えています。

セレクトプランに入っているアクティブファンドは選択すべきか?

アクティブファンドに投資するのであれば、ポートフォリオに 10% 程度組み込む位で良いと思います。

これは現時点の考えなので、今後許容出来る比率は変わるかもしれません。

アクティブファンドに投資するのであれば、最低限アクティブファンドの特性や、そのファンドが何に投資しているかを把握するようにしましょう。

アクティブファンドの特徴

アクティブファンドを運用していて感じたのは、インデックスファンドと比べて相場の影響を強く受けるという事です。

オリジナルプランには「セゾン資産形成の達人ファンド」や「ひふみ年金」がラインナップされています。

実際、両ファンドとも 2018年からの下げ相場の影響をモロに受けています。

ひふみ年金 約26%下落

ひふみ年金 基準価格 2018年 26%下落

セゾン資産形成の達人ファンド 約16%下落

セゾン資産形成の達人ファンド 基準価格 2018年 16%下落

他のインデックスファンドと比べれば分かりますが、運用成績はインデックスと比べてトントンです。有能と言われているこの2つのファンドですらこの成績なわけですから、アクティブファンドを敬遠する人が多いのも頷けます。

ただ、上昇相場の時はインデックスファンドと比べて高い成績を出せるのも事実です。

ファンドの戦略が変更される事がある

ひふみ投信は「日本の小型株」に投資するファンドでした。しかし、最近は海外の大型株(Amazon や Microsoft) を組み入れ銘柄に入れています。

資産総額が巨大になり小型株では維持出来なくなってきたのかもしれません。

この戦略変更は正直危険信号だと感じています。

もちろん投資家により安定した株を組み入れる事に安心感を得られる人も居るでしょう。しかし、元々うまく行っていたファンドのルールを自ら変えたわけです。

投資するのであれば、そういったファンドの運用レポートは最低限目を通すようにしましょう。

オリジナルプランは今後縮小?

これはあくまでも私の憶測ですが、オリジナルプランは今後新規募集停止、もしくはファンドの削除が少しずつ進み、いずれはセレクトプランに一本化していくのではないかな? と思います

実際、26種類ものオリジナルプランにあるファンドが今後除外予定となっています。

SBI証券としては保有している人が多いファンドを残しつつ、保有率の低いファンドから少しずつ除外を進める方針だという事がうかがえます。

新規募集についてもオリジナルプランを新規募集する必要はありませんし、今後新規加入者は、セレクトプランにしか入れなくなるかもしれませんね。

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